性癖SS

 亡くなった父親と母親の肖像画が絵描きによって届けられ、それはメイド長の指示で談話室にかけられた。丁寧に磨かれた暖炉の上にかけられ、片方は気高く、片方は柔和に、面影を永遠に留められていた。

性癖SS

「……ひとつ聞くが我が家はもしかしてお湯も沸かせないほどに困窮しているのか」
「皮肉系で来ましたか、それはそれでナイス切り口ですが」

その他小説

執筆時間:15分 テーマ「腐った王」盛り込み指定ワード「頭痛」

 音楽と共に、バサリ、と床に本の置かれる、軽い音――。
「そは深淵に横たわり闇の静寂に腐りし王なり。我が復讐を ...

性癖SS

「せいへき」
「はい、わたくしめ、坊ちゃんの父君や坊ちゃんのような金髪赤目の高貴な方にお仕えするのが性癖なのです」

性癖SS

 偉大だった父親の一周忌を迎える間もなく、母親も後を追うように亡くなってしまった。広大な館は光を失い、後継者争いをする親族の数多の嘲笑とは対照的に――少年はひとりぼっちになる。